la vella vita

映画と本と音楽。

日本人にもっと毒を。

汚い、といって電車のつり革に触らない人は、逆に不健康だと思う。

毒気など無縁の顔で理想ばかり語っていた政治家は、あっさりと折れてしまった。

お人好しがどれだけ罪かということを自覚しない国が、外交で失敗ばかりする。

毒とは何かを知らないコドモほど、人に平気で毒をかける。

あるいは「人に嫌われたくないから」という呪文を自分にかけて、

少しずつ、少しずつ、自殺しながら生きている。

いい毒は薬。毒に触れ、毒を知り、ある時はそれを解毒しながら、

ある時はそれを別の毒にぶつけながら、

人は自分の中に、やわらかで逞しい免疫力や想像力を育てていく。

とんでもなく悪いことをする人間は、ほとんどの場合、このふたつが決定的に欠けている。

さてこれから子どもたちはどういう風に

毒を知り、人間を、世の中を、世界を知っていくのだろうか。

突然ですが、立川談志さんのような人には、ずっと居つづけてほしいと思う。

 

いい毒は薬。宝島社の活字