幽体離脱とは、自分の心が体の外に出ることです。
右脳の角回という場所を電気で刺激すると、幽体離脱を起こすという報告があります。
脳が、体と心を離れさせる回路を持っているとすると、とても不思議ですね。
サッカーの上手な選手は、フィールドを上空から見てプレイができると言いますが、これも広い意味での幽体離脱と言えそうです。
恐怖を感じていないのに、恐怖の表情をするとどうなるか、実験をした科学者がいました。
その結果、恐怖の表情を作るだけで、視野が広がり、目の動きが速まり、鼻の穴の奥が広がり、遠くのものに気づけるようになりました。
この実験から、恐怖への反応は、恐怖の感情そのものだけでなく、恐怖の表情をつくることによってもスイッチが入ることがわかりました。
逆に、笑顔に似た表情を作ると、楽しい気持ちになるという実験結果もあります。
ある心理学者は、犬に逃げられない状況にして、警告音を出した後、弱い電気ショックを与えることを繰り返す実験をしました。
次に、逃げようと思えば逃げられる状況にして実験をしたところ、犬は逃げなくなってしまいました。
恐怖に慣れてしまい、「何をやってもダメだ・・」とあきらめてしまったのです。
この状態を「学習性絶望感(無力感)」と言います。
ナチスのアウシュビッツ強制収容所では、多くの人が、いつもいつも恐怖にさらされることで、無表情・無感情になりました。
このように、人間も動物も恐怖や脅威に慣れることができます。でも、それはよいことでしょうか?
恐怖を適切に感じることができるのは、大切なことですね。
オードリー若林がテレビで言っていたこと。
人見知りってすごい才能だっていうのを教えてもらったの。神様から与えられた素晴らしい才能だっていうのを、タモリさんが言ってた。今、俺がこうだったら、相手がこう思うだろうなとか、こんなに人のことを考えてあげれて、それを第一にして動ける人間っていうのは、人見知りしかいない。
だからこの世界(芸能界)で戦っていく人は人見知りしかいないってタモリさんが言ってた。
それで、もう一個足すと、人見知りのいい状態になれるのよ。
これ言ったら嫌がるだろうなの前にもう一個努力で、これ言ったら良くなるんじゃないかなって考える努力をするんだよ。
これはね、人見知りを弱点じゃなく、武器に変える技なのよ。
以前勤めていた大学の同僚の先生が、なかなか就職が決まらない学生にこんな助言をしていたのが印象的でした。
「やりたい仕事が見つからないなら、5時で終わる仕事を探しなさい。それから寝るまでの間は好きなだけ趣味に没頭できる。むしろそっちが生きている時間なんだから、最低限のお金を稼ぐだけの仕事を探すことも考えてみなさい」
当時は、すでに「自分らしく働こう」などと言われていた時代です。学生たちは「そんな仕事なんかないよ」と落ち込んでいましたから、先生の言葉に救われたようです。
もっと言えば、好きなことも特にない、かといって仕事も好きではない、そんなにガツガツ働きたくないという人もいると思います。
そんな人が、無理やり好きな仕事を見つける仕事を見つける必要があるのでしょうか。
・「行動」せずして「経験」することはない。
・「経験」なくして「感情」は動かない。
・「感情」なくして「情熱」は生まれない。
・「情熱」なくして「継続的に何かを続けるモチベーション」は生まれない。
・「継続的に何かを続けるモチベーション」なくして、難しいことを実現することは難しい。
ということだ。
重要なポイントは、行動こそが、全ての出発点だということだ。後先考えずにいろんな行動をする人は、いろんなところで感情が動く経験を積んでいるため、いろんなことに情熱を持つことができる。裏を返せば、そもそも人間というのは、何も経験していない初期状態では、モチベーションなんて何に対してもぜんっぜん無いと思う。
例えば、ゲームを一度もやったことも見たこともない子供が、プレステを買ったとしてもロールプレイングがやりたいのかシューティングがやりたいのかなんてわからないだろう。
同じように一度も仕事をしたことがない学生が、医者になりたいのか、エンジニアになりたいのかなんて、わからないだろう。
ましてや仕事をしたことがない学生が「やりたい仕事がわからない」なんてのは、当たり前に思える。